2026·05·07 — A Reading Companion

Make AI your own.

AIを、自分のものにする5時間。

東北土建株式会社 青山社長を対象とした 1on1 AI勉強会の記録と、明日からも見返せる完全版まとめ。
抽象論と実装の両軸を、5時間かけて経営者の手元に落とし込む。

Date 2026.05.07 (Thu)
Time 13:00 — 18:00
Venue 東北土建 本社
Format 1 on 1
TOGATTA Inc. — for 東北土建株式会社
Contents — 17 sections
01AIとは何か 02主要AIプレイヤーの違い 03AIの使い方 — 4つの入口 04効率化の、その先へ 05方向の逆転 06PCを仕事場として捉える 07差をつくるのはデータ 08業務の進め方を変える 09トップダウンが効く理由 10ハンズオンの始まり方 11ハンズオン振り返り 12スキル化 13早く始めた人ほど、差が開く AハルシネーションとAIの限界 Bセキュリティとプライバシー C課金モデルの選び方 14次の一歩
An Interlude · From "Frieren · Beyond Journey's End"
葬送のフリーレン より一場面
『葬送のフリーレン』 山田鐘人 / アベツカサ

「魔法の世界では
イメージできないものは
実現できない

一級魔法使いになった
自分の姿が、
イメージできないだろう。

フリーレンの世界において、魔法とは「思い描いたものを、現実にする力」として描かれる。だから、なりたい自分が見えない弟子には、その魔法は永遠に発動しない。

呪文を覚えても、知識を持っても、「完成のイメージ」を内側に持てない者は、何も生み出せない

これは、いま AI 活用の現場で起きていることに、不気味なほど重なっている。

「AI で誰でも作れる」

ではなく、

「完成のイメージを描ける人」だけが、
AI を使って、本当に作れる。

Part I — Foundations

AIとは、結局何なのか。

まず全体像を一枚で握ってしまう。今日扱う Claude も、世にある ChatGPT も、根は同じ「大規模言語モデル (LLM)」と呼ばれる仕組みである。

What it is

LLM (Large Language Model) は、膨大なテキストデータを学習した「次にどんな言葉が来るかを予測する」モデルである。人間のように考えているわけではない。文脈から確率的に次の言葉を選び続けることで、結果として知的な対話・文章生成・要約・翻訳・コード生成・分析を行えるようになっている。

この前提を押さえておくと、「AI が万能なのか / そうでないのか」「どこを信じてどこを疑うべきか」の判断軸ができる。

What it can do

  • 文章を書く / 要約する / 翻訳する
  • 会話の文脈を踏まえて答える
  • コードを生成する・読み解く
  • 大量のテキストを横断して分析する
  • 表・グラフ・図表 (画像出力できるモデルも) を作る
  • 複雑な思考プロセスを言語化して整理する

What it cannot do (yet)

  • 物理的な行動 (現実世界のモノを動かす)
  • リアルタイム情報の絶対的な保証 (最新情報は不確か)
  • 常に正しい事実だけを返すこと (ハルシネーション: 後述・付録A)
  • "自分の意志" や "感情" を本当に持つこと

3つの "信号" で見る: AI に任せる/任せないの判断軸

業務を「AI に任せていいか」で3つに分類する。経営判断で迷った時、この信号機を思い出す。

GREEN AI が圧倒的に得意 — まず任せる
  • 文章の生成・要約・翻訳・添削
  • 大量テキストの分析・整理
  • 議事録の整形、メールのドラフト
  • コードの生成と説明
  • 調査・情報収集のまとめ
  • 図表・スライド・資料の下書き
  • アイデア出しの数を稼ぐ
  • 多言語での文面作成
YELLOW AI と人の協業がベスト — 一緒に進める
  • 戦略立案・企画ブレスト
  • 意思決定の選択肢比較
  • デザイン・UI/UX の判断
  • 顧客対応の文面作成
  • プロジェクトの進め方設計
  • 採用候補者の評価サマリ
  • 過去判断の類似ケース提示
  • 業務プロセスの設計
RED 人がやるべき — AI に任せられない
  • 最終的な経営判断・責任を伴う決定
  • 現場の体感・暗黙知が要る判断
  • 感情のこもった対応・人間関係の調整
  • 事実関係の最終確認 (ハルシネーション対策)
  • 物理的な行動・対面のコミュニケーション
  • 創造の "種" — 何を作るかの起点
  • 法的拘束力のある判断・契約
  • 未公開機密情報の扱い (セキュリティ判断)

青信号は迷わず任せる、黄色は人と AI の対話で詰める、赤は AI に頼らない。この3階層で見るだけで、経営判断の質と速度が両立する。

— Takeaway

AIは 「とんでもなく賢いアシスタント」 であって、「万能の魔法」ではない。強みと限界を見極めて、使い分ける側の判断は残り続ける。


主要AIプレイヤーは、何が違うのか。

今 AI の名前は溢れている。経営者として知っておくべきは、各プレイヤーの "性格" と、自社のどこに当てはめるか。

サービス提供元性格と強み
ClaudeAnthropic長文の理解・コード生成・安全性に強い。Project / アーティファクト / MCP で "業務を持ち込む" 設計が秀逸。本日の主役。
ChatGPTOpenAI知名度トップ。画像生成 (DALL-E)・音声・動画など総合力が高い。最も "汎用" なポジション。
GeminiGoogleGoogle 連携 (Gmail / Drive / Docs) が強い。無料で使える範囲が広い。Workspace 利用者には自然な選択。
CopilotMicrosoftOffice 連携 (Excel / Word / Teams) が強い。エンタープライズ・既存 Microsoft 環境への統合に向く。
その他各社Perplexity (検索特化) / Mistral (欧州) / Grok (X 連携) など、用途特化型のプレイヤーも多数。

「賢さ」では、もう差がつかない。

率直に言うと、主要モデルの "頭の良さ" には、もう実用上の大きな差がない。どれも人間より圧倒的に賢い。

では何で差がつくのか。「どのデータを蓄積し、どう使い続けるか」。これが本当の競争軸である。詳細は §07 で扱う。

— Takeaway

「どのAIを使うか」より、「どれを軸に育てるか」が決定的。1社に絞って "自社専用" に育てた方が、2-3社を浅く使うより遥かに効果が出る。


AIに触れる、4つの入口

同じAIでも、触れ方によって体験はまったく違う。経営者として、どの入口を選ぶかは戦略レベルの判断。

01

Webチャット

ブラウザで claude.ai や chatgpt.com を開く。一番手軽。会話1回完結の用途向け。
課金: 無料 〜 月 $20

02

デスクトップアプリ

Claude Desktop / ChatGPT Desktop。Webチャット相当の機能 + Project (ファイル持ち込み) + MCP (外部サービス連携) が使える。
本日の主役。

03

CLI (Claude Code)

ターミナルからAIを呼ぶ。フォルダ全体にAIが "来る"。開発者向け、ヨシミツの Work/ がこの領域。
課金: Claude Pro / Max

04

API

プログラム経由でAIを呼ぶ。自社の業務システム・SaaSに組み込む。
課金: Token (使った分だけ) 単位の従量課金

経営者の "段階的アプローチ"

①Webチャットで触る
②デスクトップアプリ + Project
(今日ここ)
③CLI / API は専門家と並走

①Webチャットで AI の感覚を掴む (これは多くの経営者が既に経験済み) → ②デスクトップアプリで Project (自社ファイル持ち込み) と MCP (Gmail / Slack 等の連携) で "自社業務に AI を入れる" → ③CLI / API はエンジニアや AI コンサルと組んで "全社的な業務基盤" に組み込んでいく。

本日青山社長が完全に押さえるのは、この ② のステージ。③ は別物の世界として、後段で見せる。

Claude Code を支える "5つの仕組み"

「Desktop App と Code は何が違うのか?」 — その答えは、Code が持つ 5つの中核機能 にある。これらの組み合わせが、AI を "便利な道具" から "業務基盤" に変える。

01
CLAUDE.md

引き継ぎ書

「うちの会社のルール」「触っていいファイル」「業務の流れ」を Markdown で書いておく。AIは毎回これを読んでから動くので、毎回ゼロから説明する必要がない。

永続的な文脈
02
Skills

スキル化

繰り返し作業を「これスキル化して」と言うだけで再利用可能に。次から一言で同じ品質のアウトプットが出る。例: 朝の briefing、議事録整形、提案書ドラフト。

業務の再現性
03
Subagents

専門エージェント

用途別の専門 AI を複数同時に動かせる (例: 調査担当 / 営業担当 / 経理担当)。1つの判断に複数視点を瞬時に集められる。ヨシミツは7体並列稼働中。

並列処理
04
Hooks

自動起動トリガー

特定のタイミング (朝8時、Slack で特定キーワード等) で AI を自動起動。"おはよう" を打たなくても、勝手に1日が始まる。

自動化トリガー
05
MCP

外部サービス接続

Slack / Gmail / Drive / Notion / GitHub / freee 等を AI に直接繋ぐ。AI が "メールを読んで返信する" "Slack に投稿する" を自分でやれる。

外部世界への接続

Desktop App と Claude Code、何が違うか

同じ Claude でも、入口によって "天井" が変わる。経営者として両者の差を一覧で押さえる。

観点 Desktop App Claude Code
起動方法 アプリのアイコンをクリック ターミナルで claude コマンド
ファイル操作 Project にアップロード (上限あり) PC全体を直接読み書き
文脈の引き継ぎ Project 内の会話履歴 CLAUDE.md で永続化
繰り返し業務の自動化 限定的 Skills + Hooks で完全自動
並列実行 (複数AI) ほぼ不可 Subagents で何体でも
外部サービス連携 主要 MCP のみ 全 MCP + 自作 MCP 可
技術ハードル 低 (誰でも) 中〜高 (CLI/Git 慣れ要)
課金 Pro $20/月 Pro $20/月 〜 Max $100-200/月
適用フェーズ 個人活用、まず触る 業務基盤、本格運用
最初は Desktop App で慣れて、必要になったら Code に拡張する のが王道。両者は競合ではなく、AI 活用の "深さの段階" を表している。
A · 私の日常での使い方

TOGATTA で、毎日 こう使っている

抽象論ではなく、ヨシミツが今日この瞬間、Claude Code をどう動かしているか。これが本物の "業務 OS" の姿である。

A · 01
朝の "おはよう" → 1日が始まる
朝8時、Slack に1日のスケジュール・優先タスク・前日振り返りが自動で届く。"おはよう" と打つ前に Claude が今日のタスクを並べ、優先順位を提案。Cron + Hook + Skill の組み合わせで完全自動。
A · 02
MTG後のフォロー文を自動生成
議事録を投げると、相手の長期思惑を踏まえた6要素構成のフォロー文が即出る (サマリー/決まったこと/話した内容/重要だった点/自社強みへの接続/次の動き)。今回の青山社長の 4/23 フォロー文もこの skill で生成。
A · 03
商談記録の構造化 → ナレッジ蓄積
雑メモを投げる → Claude が議事録に整形、相手プロフィール更新、フォロー TODO 抽出を一気に実行。accounts/ ディレクトリ下に "判断の履歴" が自然と溜まり続ける。
A · 04
大規模調査が1コマンドで Web レポート化
"○○について深掘り調査して" と言うだけで、複数のリサーチサブエージェントが並列で動き、Web LP 形式のレポートが完成。先日のガレリア社内通貨調査 (10章 HTML) もこの skill で生成した。
A · 05
月次経理の自動化 (freee 連携)
freee API + MCP で、月次の仕訳・経費分類・レポート生成を自動実行。月末28日に Cron trigger、ヨシミツは確認のみ。会計士に頼んでいた作業の大半が自動化された。
A · 06
失敗から仕組みが自動で生まれる
同じミスを2回したら、Claude が「これスキル化しますか?」と提案。lessons.md に蓄積 → 次回からそのミスを自動回避。"使えば使うほど、組織が賢くなる仕組み" が組み込まれている。
B · 世の中の上手な使い方

業界の最前線で、こんなことが起きている

Claude Code は単なる "コーディング AI" ではない。経営者・1人会社・開発チームが、業務基盤として使い始めている。

B · 01
レガシーコードの大規模リファクタ
10万行を超える古いコードベースを、Claude が読んで改善案を提示 → 実装まで自走。人間がやれば数ヶ月の作業が、数日で終わる。大企業のレガシー改修が現実的になった。
B · 02
新サービスのプロトタイプを1日で
"こういうサービス作りたい" → 設計書 → DB スキーマ → API → フロント、まで連続実装。MVP が翌日には動いている。スタートアップの初動が劇的に速い。
B · 03
セキュリティ監査の自動化
リポジトリ全体を Claude にスキャンさせる → 脆弱性レポート + 修正案。`/security-review` のようなスラッシュコマンドで起動、人間のセキュリティエンジニアが見るのは最終確認のみ。
B · 04
設計書 → 実装 → テスト → レビューを一気通貫
仕様書を書く → Claude が読んで実装 → テスト生成 → コードレビュー。1人エンジニアが、本来チームで1ヶ月かかる作業を1日で完了する事例が、SaaS 業界で増えている。
B · 05
ドキュメント常時更新
コード変更 → Claude が関連ドキュメントを自動更新。README / API リファレンス / 設計書 / ADR (アーキテクチャ判断記録) が常に最新。"ドキュメントが古い問題" がほぼ消える。
C · 特殊・先進的な使い方

まだ多くの人が知らない、上級活用

Claude Code を "業務コンパニオン" として極限まで使う、最先端の事例。ここまで来るとほぼ別物。

C · 01
クラウド側で勝手に働く Claude
PC が起動していなくても、Cloudflare Workers / GitHub Actions と連携してクラウド側で Claude が動く。朝の briefing、定時タスク、自動レポート生成が、人の介在ゼロで進む。
C · 02
Slack 常駐 Bot で社内ヘルプデスク化
Claude を Slack に常駐させ、社員の質問に自動応答。社内ナレッジ・過去議事録・規定を学習済みなので、人事部や情シスに来る "FAQ 質問" の大半が自動解決。問い合わせ工数が劇的に減る。
C · 03
複数 AI による議論 (Multi-Agent Debate)
複数の Subagent に異なる視点 (営業視点 / 技術視点 / 財務視点) を持たせて議論させる。単一視点では出てこない結論が出る。経営判断の "壁打ち相手" を一瞬で召喚できる。
C · 04
自分の MTG 音声を解析 → 自己改善
録音 → 文字起こし (Whisper) → Claude が話し方・論理展開・刺さった瞬間を分析。"今日の MTG、ここで論点がズレた" "ここで相手の温度が上がった" を可視化。営業力の自己改善ツールに化ける。
C · 05
1人会社の OS 化 (TOGATTA がこれ)
営業・経理・人事・技術・マーケ、全部1人で回すとき、Claude Code が "もう一人の自分" として並走。人を雇わずに会社規模を拡張できる。"AI native 経営" の最前線。
D · Claude Code でも、できないこと

万能ではない。残る限界 を知っておく。

これらは "AI に任せたら失敗する" 領域。人間が見るべき場所として、最初から設計に組み込む。

D · 01
完全自走 (人不要) は無理
重要な判断・出力には必ず人の確認チェックポイントが要る。100% 自動化は危険、必ず "人が見る瞬間" を設計に入れる。長時間完全放置すると、道を外れる可能性が残る。
D · 02
物理世界への直接行動はできない
現場の機械を動かす、対面会議に出る、実物を運ぶ等は Claude にはできない。ロボット・IoT 等の別の仕組みと組み合わせが必要。"考える" と "動く" の境界は依然存在する。
D · 03
完全機密管理は難しい
入力データは Anthropic サーバーに送信される (Claude Pro でも、学習には使わないが処理自体は外部)。真のオフライン処理が必要なら、オンプレ LLM や Anthropic Enterprise 契約が要る。
D · 04
"創造の種" は AI からは出ない
"何を作るか" の最初の発想は人がやる。Claude は与えられた種を実装・展開できるが、"何を始めるか" のゼロイチは人の専権。むしろ AI 時代は経営者の "種を出す力" の価値が上がる。
D · 05
法的責任を伴う最終判断
契約・人事・財務の最終判断は、必ず人と専門家がやる。AI は素材出し・選択肢比較・リスク分析まで。"判子を押す" 行為は AI に委譲してはいけない。
— Takeaway

入口によってAI活用の "天井" が変わる。経営者がまず押さえるべきは デスクトップアプリ + Project。これが個人活用の最大公約数。

Part II — Why AI is Different This Time

効率化の、その先へ

AI 活用の "ありがちな話" は、ほぼ効率化に集約される。それは価値があるが、本質ではない。

よく聞くAI活用の話

  • 採用工数を月200時間削減 — 非エンジニアが Gemini + GAS で自力実装した事例
  • データを自動集約してNotionに転記 — Stripe / freee / スプレッドシートを連携
  • 管理職の年間1,200時間がメール返信・経費処理・レポート作成に消えていた

これらは確かに価値ある事例である。ただ、ここで終わると AI を「便利な効率化ツール」として消費してしまう。

AI で起きているのは "効率化" ではなく、
"業務のアップデート" である。

効率化は「今やっている業務を、より速く・安く・正確に」やる発想。アップデートは「業務そのものの形が変わる」発想。前者は線形の改善、後者は非連続な変革。今 AI で起きているのは後者である。

経営者の関心は、ここで線形の改善ではなく非連続の変革に向ける必要がある。

— Takeaway

AIを "道具" として消費するか、"業務のあり方そのものを変える起爆剤" として使うか。選び方で、5年後の差が決まる。


方向が、逆転している。

これが今日一番伝えたい、本質的な違い。チャットAIと、Claude (Desktop / Code) では、AIと人の "向き" が逆になっている。

Before

こちらが、AIのところに行く

  • クラウド上のサービスにアクセスする
  • 毎回ファイルをアップロードして渡す
  • 毎回、文脈を最初から説明し直す
  • 答えが返ってきても、実行は自分でやる
After

AIが、こちらの仕事場に来る

  • 自分のPCのフォルダ全体をAIが把握する
  • 引き継ぎ書 (CLAUDE.md) で文脈を持ち越す
  • 毎回ゼロから説明する必要がない
  • 答えだけでなく、実行までやる (Codeの場合)

この「方向の逆転」が、ChatGPT 的な体験と Claude (Desktop / Code) 的な体験の本質的な違いである。

Desktop App と Code の関係

Claude Desktop App は、この逆転を擬似的に実現している。Project にファイル群をまとめてアップロードすることで、AI が "自分の文脈" を持ち続ける。チャット形式の親しみやすさを保ちながら、ナレッジを蓄積できる。

Claude Code は、これを本物の形でやる。AI が PC のフォルダ全体を読み書きする。1000 を超えるファイルを把握した上で、自律的に動く。CLI なので技術ハードルは高いが、世界観は同じ — ただ深さが桁違い。

今日青山社長が体験するのは、Desktop App による「逆転の入口」。Code の世界は §11 / §14 で覗き見る。

— Takeaway

AIを "向こう側の便利な道具" から、"こちら側の仕事場のメンバー" に格上げする。これが Claude (Desktop / Code) の本質。


PCを、仕事場として捉える。

抽象論だけでは届かないので、TOGATTA 内部での実例 — ヨシミツ自身が1ヶ月で動かしたものを抽象化して紹介する。

"会社" を、フォルダで表現する

ヨシミツの PC には Work/ という1つのフォルダがある。その中に、TOGATTA の "知識基盤" が 会社を6レイヤーに分けて 入っている。

  • accounts/ — 取引先ごとのプロフィール、面談記録、提案資料
  • projects/ — 進行中のプロジェクトごとの設計、ログ
  • todos/ — 自分のタスク、アイデア、振り返り
  • memory/ — 自社のコア情報 (経営方針、強み、知見)
  • docs/ — 営業ノウハウ、リサーチ、設計書
  • finance/ — 経理、契約、決算情報

すべて Markdown ファイル で書かれている。AI も人も読める形式。「人に使いやすい」ではなく 「AI に使いやすい」 を基準に再設計してある。

この1ヶ月で起きた、6つの変化。

Claude Code 起点で業務を進めるようになって、ヨシミツ自身に起きた具体的な変化。

01
開発以外の会社業務ぜんぶを Work/ で回すようになった
経理・営業・人事・ナレッジ管理、すべての業務が同じフォルダで完結する。
02
タスクが 埋没しなくなった
朝/夕の自動 briefing で、その日のやるべきこと・やり残しが必ず出てくる。
03
朝8時、Slackに 1日が届く
"おはよう" の前に、今日のスケジュール + 優先タスク + 前日振り返りが Slack に流れる。
04
MTG が終わったら、フォロー文が出る
議事録を投げると、相手の長期思惑を踏まえたフォロー文 (6要素構成) が即生成。
05
失敗から、仕組みが自動で生まれる
同じミスをした瞬間に、AI が「これスキル化しますか?」と提案 → 次から自動回避。
06
大規模調査が、1つのコマンドで Web レポートになる
調査依頼を投げると、複数のリサーチエージェントが並列で動き、Web LP 形式のレポートが完成。

使い方は、4つのパターンに集約される。

ヨシミツが実践している AI 活用の型を、4つに整理した。経営者として参考になる切り口。

A
顧客関係を 「会社」 として定型化する
取引先1社ごとにフォルダを作り、profile / activity-log / meeting-notes / proposals を構造化。AI が会社単位で文脈を持つ。
B
習慣を hook と skill で実行可能化する
朝の briefing、夕のレビュー、商談後フォロー、月次経理 — 繰り返しの動作はすべて再利用可能な "スキル" として AI に登録。
C
事故 → 設計書 → 実装 → 監査 を 数時間で回す
問題が起きた時のリカバリー速度が桁違い。原因分析・改善設計・実装・検証まで、AI と一緒に1日以内で完了する。
D
1つに頼らず 7体の専属エージェントを並列に持つ
用途別の AI エージェント (調査/営業/技術/経理/etc.) を複数並走させる。1つの判断に複数視点を瞬時に集められる。

具体ファイル名や他社情報は機密のため割愛する。ここで伝えたいのは、「PC を仕事場として設計する」 という発想。これが Claude Code 起点で業務を進めるということの実体である。

— Takeaway

フォルダ構造を "会社の知識地図" として設計する。そこに業務の痕跡が自然に積み重なれば、AIがその全体を踏まえて働けるようになる。


差をつくるのは、データ

どのAIを使うかは差別化要因にならない。差をつくるのは、自社しか持っていないデータがあるかどうか。

AI の頭の良さには、もう実用上の大きな差がない。Claude も ChatGPT も Gemini も、人間より圧倒的に賢い。だから「どのAIを使っているか」は、もはや差別化の本筋ではない。

差がつくのは、「自社しか持っていないデータがあるかどうか」

自社固有のデータ — 例

  • 顧客からのレビュー・フィードバック
  • 見込み客と直接話して得た一次情報
  • 過去の 判断の履歴 — なぜあの時こうしたか
  • 失敗事例とそこから学んだこと
  • 業界特有の "暗黙知" (現場での慣行・暗黙のルール)

特に重要なのは "判断の履歴"

「なぜあの時こうしたか」の理由が残っていると、AI がその文脈を踏まえた提案ができる。同じ失敗を避けられる。意思決定の精度が上がり続ける。

データがないと、AIの出力はどこも似たような内容になる。同じAIを使っていても、自社の判断履歴を蓄えている会社と、何も渡していない会社では、出力の質が桁違いに変わる。

AI 時代の競争優位は、"自社データの蓄積量と質" に移行している。

今日青山社長が書いた棚卸しシート、Claude Desktop の Project に格納されたファイル、ハンズオンで作った成果物 — これらすべてが 自社データ蓄積の第一歩 になる。

— Takeaway

これからの経営資産は、"自社しか持っていないデータ"。特に "判断の履歴" を残せた会社が、AI時代の競争で前に出る。


業務の進め方を、変える

「データを記録しよう」と意気込んでも続かない。発想を逆にする。Claude 起点で業務を動かすだけで、結果として勝手にデータが溜まる仕組みにする。

記録は、頑張ってもどうせ続かない

  • 独自データが大事だと分かっていても、日々の業務で意識的に記録するのは難しい
  • 商談メモを書く、判断理由を残す、情報を整理する — どれも手間
  • 忙しいほど後回しになり、結局データが溜まらない

この問題に正面から取り組んでも、絶対に続かない。記録すること自体を頑張る発想を、捨てる

業務そのものを "データの入力行為" にする

Claude を起点に業務を進めるだけで、結果として構造化されたデータが自然と溜まる。商談メモを Claude に投げる → 整形された議事録 + 相手プロフィール更新 + 次アクション抽出が一気に走る。記録のための作業が、業務のメインループに組み込まれている。

基準の転換

Before

「人に使いやすい」が基準

  • Word / Google Docs / 自由なフォルダ分け
  • 記録するために意識的な努力が要る
  • 属人化しやすい
After

「AIに使いやすい」が基準

  • Markdown ファイル / 構造化されたフォルダ
  • 業務そのものが記録になる仕組み
  • AI が読みやすく、人にも読みやすい

ただし、最初に "設計" が要る

仕事場の設計とは、次の2点。

A

ディレクトリ構成

どこに何を置くかのルール。"顧客情報はどこ?" "提案書はどこ?" を AI も人も迷わず辿れる構造。

B

CLAUDE.md

AIへの "引き継ぎ書"。会社の方針・守るべきルール・前提知識を Markdown で書いておく。AIは毎回これを読んでから動く。

この設計さえ最初にしてしまえば、あとは意識しなくてもデータが蓄積される仕組みになる。設計ができているかいないかが、AI 活用が "続くかどうか" を決める

— Takeaway

記録を頑張るのではなく、業務の進め方そのものを変える。そのために最初の "設計" だけは必ず必要。


トップダウンが、効く理由。

AI 活用は、社員に任せても進まない。社長が使い倒すことで、初めて組織変革が起きる。

業界の AI 活用は、表面では進み、深さでは遅れている

「AI が来ている」「みんな使い始めている」 — そう聞くと、自社が遅れている気がする。だが、データを見ると実態は二極化している。

55.2%
日本企業の生成AI
業務活用率
— 総務省 令和7年版 情報通信白書 (2025)
5–10%
中小企業の
全社AI導入率
— 帝国データバンク等 複数調査 (2025)
67.7%
経営者の AI理解
(一般社員 30.4%)
— 帝国データバンク 4,705社調査 (2024)

「触ってみた」レベルは半数を超えた。だが 中小企業に絞ると全社導入はまだ1割未満。さらに、経営者と一般社員の AI 理解度には 30ポイント以上のギャップ がある。

国際比較ではもっと厳しい。OECD の7カ国調査 (2025) で、日本の中小企業 AI 導入率は 23.5% で最下位。中国 95.8% / 米国 90.6% / ドイツ 90.3% と比べると、日本は周回遅れの状況にある。

「触っている人は半数」 × 「組織で使いこなしている人はごく一部」。この差が、今後の経営格差を生む。今動いた経営者が、3年後に大きな差を作る。

一般社員にAI活用を委ねる難しさ

AIを「社員の自主性で広げてもらおう」という発想は、ほぼ機能しない。理由は3つ。

  • ① パーキンソンの法則 × 人間の特性 — 仕事は与えられた時間を満たすまで拡大する。AI で浮いた時間を、社員が自律的に "新しい価値創造" へ振り向けるのは、構造的に難しい
  • ② 未来像 (世界線) の欠如 — AI で仕事が根本からどう変わるかを描けないため、変革を想像しにくい。"目の前の効率化" から先に行けない
  • ③ 情報収集の難易度 — 日常業務をこなしながら、AI の最新動向や前提技術を追い続けるのは、現実的でない

だから、社長が動く

社長は、アンテナの高さ・情報収集・業務俯瞰の範囲が広い。だから戦略的なAI活用ができる。社員が社長の行動を模倣する。これが組織変革の最強の標準装備になる。

もう一つの重要な事実: 個人 / 少人数の組織が、圧倒的に有利

  • 大組織はツール導入・教育・合意形成に時間がかかる
  • 個人・少人数の経営者は今日から始められる
  • 業務プロセスを AI が介入できる形で蓄積していけば、自分専用のAIが育つ
  • 場所も関係ない。インターネットとPCがあればどこでも同じ環境

2027年ホールディングス化への接続

青山社長の長期構想 — 2027年のホールディングス化と、各社のコンサル・会計の一元管理。これは Claude Desktop の Project 機能と発想がそっくり同じ構造である。

各社のプロフィール、経営判断、社員情報、損益データを Project にナレッジ化していけば、ホールディングス全体をAIと一緒に俯瞰・運営できる土台になる。2027年に向けた第一歩を、今日から始められる

— Takeaway

AI 活用は 社長から始まる。個人・少人数こそ有利。今日始める社長が、5年後の組織図を変える。

Part III — Hands-on & Beyond

ハンズオンの、始まり方

いきなり何かを作り始めるのではなく、青山社長自身が「これ作ってみたい」と選ぶところから始める。今日のハンズオンの組み立て方。

ステップ① 棚卸しから候補を抽出

セミナーの最初に書いた業務棚卸しシート — その末尾に「Claude でやってみたいこと × 3」という欄がある。抽象論パートを聞いた後の頭で、青山社長自身が思いついたユースケースを3つ書く。

これは、自分の業務文脈の中で「AI が刺さりそう」と直感したものが言語化される瞬間。"自分で選んだ" 感が、後の継続活用を決める

ステップ② ヨシミツの事前仕込み候補を提示

同時に、ヨシミツが事前に動作確認した候補も並べる。これは "失敗しない実演" を保証するための保険であり、青山社長の選択肢を広げる材料でもある。

事前仕込みの5候補:

候補 01
議事録要約 + 次アクション抽出
雑メモ・録音テキスト → 整形議事録 + 担当者別 TODO。社長業の MTG 量に即効く。
候補 02
社員プロフィール ナレッジベース
Project に各社員情報を投入 → AI が「○○さんに任せるべき業務は?」に答える。人事評価・活動ログ蓄積の生きた一歩。
候補 03
2027年 ホールディングス化シミュレーション
各社の損益・人員データを投入 → 「事業部別利益はどう変わる?」「役職体系の整合性は?」を試算。長期戦略の解像度が上がる。
候補 04
採用候補者の 評価サマリ生成
履歴書/職務経歴書 → 5観点で評価レポート。経営判断系、繰り返し効果が大きい。
候補 05
個人の 経営脳バックアップ
過去の経営判断ログを投入 → AI が類似ケースで提案。「自分の考えを整理したい」を直接実装する。

ステップ③ 6-8候補から、青山社長が「これ作りたい」を選ぶ

事前仕込み5個 + 棚卸し発3個 = 6-8候補が並ぶ。ここから青山社長が 1つ選ぶ。決め方は自由 — 「業務に直結するもの」「面白そうなもの」「次の MTG で見せたいもの」、何でもいい。

自分で選んだものが、目の前で動く。
これが 「②社内に使いたい」 という感情を最大化する仕組みである。

ステップ④ ペアコーディングで実装スタート

選んだものを、ヨシミツと一緒に75分で作る。ヨシミツの役割は:

  • 横に座って、青山社長が詰まったら次のプロンプトを示唆する
  • Claude のアウトプットを一緒に見て、改善ポイントを指摘する
  • 失敗しても焦らず、別の角度を試す姿を見せる
  • "この粒度なら絶対できる" を体感してもらう

青山社長は「何を作りたいか」を口で言うだけ。手は動かす、けどコードは書かない。プロンプトの組み立て方を体感する のがハンズオンの本質。

— Takeaway

"作りたいものを、自分で選ぶ" だけで、AI 体験の刺さり方が桁違いに変わる。ハンズオンは "見るもの" ではなく "選ぶもの"


ハンズオン、振り返り

5時間で青山社長が手を動かしたことの振り返りと、明日朝から自宅で同じことを再現する手順。

今日やったこと

  • 13:15-14:00 Claude Desktop App をインストール、Pro 課金、最初のチャット、アーティファクトで動く HTML を生成 → 「えっ AI ってこんなことできるの」
  • 14:00-14:45 業務棚卸しシートを Project に登録、対話で深掘り、自分の業務の AI 化候補を炙り出す
  • 15:00-16:00 抽象論を5層で腹落ち + ヨシミツの実例 (Work/ ディレクトリ)
  • 16:00-16:15 6-8個の候補から1つ選択 — "これ作りたい"
  • 16:15-17:30 選んだ1個をペアで実装、動く成果物が手元に残る
  • 17:30-18:00 社内展開の重さと、次の一歩

明日朝、自宅で再現する手順

①Claude Desktop を起動
②Project を開く
③棚卸しシートに追記、
新しい業務に Claude を試す

たったこれだけ。難しいことは何もない。"使い続けること" だけが、唯一の重要なルール。

続けるための3つのコツ

  • 毎日触る習慣をつくる — 朝1回、夕方1回、Claude に話しかける時間を決める
  • "AIでできるかな?" を口癖にする — 業務中に湧いた疑問は、まず Claude に投げてみる
  • うまくいったやり方は Project に残す — "前にこれやったプロンプト残ってる?" と聞ける状態をつくる
— Takeaway

明日朝、起動して触ってみる。それだけ。続けることでしか、AIは自分のものにならない。


繰り返しに気づいたら、スキル化

使い続けると "毎回同じようなことをしている" 場面が出てくる。それを Claude にスキル化させると、次から一言で同じ品質のアウトプットが出る。

4ステップで進化する

①Claude起点で
業務を進める
②"毎回同じことを
している" と気づく
③"これをスキル化
して" と Claude に伝える
④次から一言で、
意図した品質の
アウトプットが出る

スキル化の例 (TOGATTA 内部)

  • 朝の "おはよう" → 1日のスケジュール + 優先タスク + 前日振り返り を自動表示
  • 商談議事録の整形 → 雑メモを投げると 構造化議事録 + 相手プロフィール更新 + フォロー TODO 抽出
  • 提案書ドラフト → 案件概要を投げると 過去類似案件 + 自社強み + 提案書ドラフトが出る
  • 月次経理 → freee API と連携して、月次の仕訳・レポート生成を自動化

スキル化が起きると

  • スキル化した業務は、もう自分がやらなくてよくなる
  • 空いた時間で、新しいことに手を出せる
  • その新しいこともまたスキル化できる → さらに時間が空く
  • 仕事が "作業" から "判断" と "新しい挑戦" に変わっていく
使えば使うほど、自分専用の業務OSに育っていく。
— Takeaway

"繰り返しに気づいたら、スキル化する" だけ。これを続けると、社長業の "作業時間" が "判断時間" に置き換わっていく


早く始めた人ほど、差が開く

AI 活用は、後から追いつけるタイプの差ではない。データの蓄積量で差がつくため、時間そのものが資産になる。

  1. Claude 起点で業務を進めるほど、自社独自のデータが蓄積されていく
  2. データが蓄積されるほど、AI の出力の質が上がる
  3. この差は後から追いつくのが難しい。早く始めた人のデータ量には追いつけない
「いつかやろう」ではなく、今日始める

これが、5/7 の勉強会で最も伝えたかったメッセージである。今日が "最も早い日" であり、明日からは差が開き続ける。

青山社長は、今日この第一歩を踏み出した。あとは続けるだけ。

— Takeaway

時間そのものが、AI 時代の資産。今日が、最も早い日

Appendix — What you should know

ハルシネーションと、AIの限界

AIを使う上で、必ず知っておくべきリスク。AIは時々、自信満々に "嘘" をつく。

ハルシネーションとは

AI が事実でないことを、事実のように生成してしまう現象を ハルシネーション (幻覚) と呼ぶ。

原因は、AIが "次に来る言葉を確率的に予測" している仕組みそのものにある。文脈に合いそうな言葉を選んでしまうため、事実関係に誤りがあっても "それらしい文章" として出力されてしまう。

典型的な発生場面

  • 具体的な数字 (株価、売上、人口、年号など) を聞いた時
  • マイナーな事柄や最新ニュースを聞いた時
  • 論文やプレスリリースの引用元を聞いた時 (URL や著者を捏造することがある)
  • 計算や論理的な推論を行わせた時

経営者として最低限のルール

  • 意思決定の根拠として使うときは、必ず一次情報で裏取りする
  • 契約書・財務関連は専門家チェックを必ず通す
  • "これ本当?" と聞き返す習慣を持つ — Claude は素直に「私の出力は不確かです」と認めることが多い
  • 事実を扱う場面では、AIに 「Web 検索して根拠を出して」と指示する (Pro 以上で可能)
AI を信頼しすぎない。使いこなす側の責任は、最後まで残る
— Takeaway

AIは "賢いアシスタント" であり、"絶対正しい神様" ではない。事実関係は 必ず裏取りする。これを徹底するだけで事故率は下がる。


セキュリティと、プライバシー

経営者として最重要のテーマ。社内でAIを広げる前に、これだけは押さえておく。

大原則: 入力データは "外" に出る

Claude / ChatGPT などのクラウド AI は、入力したデータを提供企業 (Anthropic / OpenAI など) のサーバーで処理する。完全にローカル環境で完結することはない。これは仕組み上の前提として認識する。

Anthropic (Claude) のデータ取り扱い

  • Claude Pro / Free: 入力データは原則として AI の学習に使われない (オプトインしない限り)
  • Claude API: 学習に使われない、契約上明記
  • データ保管: 安全規約・倫理性チェックのため一定期間ログ保管あり (約30日が標準)
  • 詳細は Anthropic のプライバシーポリシーで最新を確認

機密情報を入れる時の判断軸

"何を入れていいか" を社内で決めておくのが、最初の一歩。判断軸の例:

入れていい

機密度が低いもの

  • 自分の業務メモ、議事録 (一般的な内容)
  • 公開情報 (HP に載っている情報)
  • 営業の言い回し改善依頼
  • 提案書のドラフト整え
慎重に

機密度が高いもの

  • 顧客の個人情報・契約書本文
  • 社員の人事情報 (給与・評価)
  • 未公開の財務情報・経営計画
  • 取引先の機密情報

企業向けの選択肢

  • Claude for Work (Team / Enterprise) — 企業向け、データ保護強化、SSO 対応
  • Anthropic API + 自社サーバー処理 — 完全制御、ただし開発リソース必要
  • Microsoft Copilot for Microsoft 365 — Office 環境内で完結、既存ガバナンス活用

東北土建の場合、まず 社長個人の Pro 利用 + 個人レベルの判断軸 から始めて、社内展開フェーズで Team プラン or API を検討する流れが現実的。

— Takeaway

"何を入れていいか" のルールを最初に決める。これだけで、ガバナンスの土台ができる。社内展開はその後。


課金モデルの、選び方

AI のお金の話。経営判断する上での全体像。

プラン金額 (目安)使える機能 / 用途
Free無料Webチャットの基本機能。回数制限あり。Project / アーティファクトに制限。お試し用。
Pro$20 / 月
(約3,000円)
Project / アーティファクト / Sonnet / Opus が利用可能。本日青山社長が課金したプラン。個人活用ならこれで十分
Max$100-200 / 月Pro の利用枠を5倍-20倍に拡張。ヘビーユーザー向け。CLI (Claude Code) を本格利用する人に。
Team$30 / 人月5人以上の組織向け。共有 Project / 管理機能 / セキュリティ強化。社内展開フェーズで。
Enterprise応相談大企業向け。SSO / SCIM / SLA / データガバナンス。
API従量課金
(Token 単位)
プログラム経由でAIを呼ぶ。自社システムへの組み込み。1,000 Token あたり数セント程度。

経営者の選び方

  • 第1段階 — 社長個人で Pro 1人分 ($20/月) から始める ← 今ここ
  • 第2段階 — 役員・幹部にも Pro を展開 (1人 $20/月)
  • 第3段階 — 社内本格展開時に Team プラン or API + 自社システム連携
  • 第4段階 — 全社的な AI 基盤として API + 専用システムへ移行
まずは 月3,000円 / 1人 から始められる。これが AI 活用の入口の値段である。

安すぎて躊躇する金額。だが、ここから蓄積したデータと習慣が、3年後 5年後の経営判断の質を変える。

— Takeaway

月 $20 で AI 活用を始められる。"高すぎて始められない" という言い訳が成立しない時代である。

Closing

次の、一歩

今日5時間で、青山社長は AI を自分のものにする入口に立った。ここから先の景色は、続けることでしか見えてこない。

明日からの3つの行動

  • 毎朝、Claude Desktop を起動する — まずは習慣化。コーヒーを淹れる前でも、後でも
  • 業務中、"AIでできるかな?" を口癖にする — 浮かんだ瞬間に Claude に聞いてみる
  • うまくいったやり方は Project に残す — "前にこれやった" と振り返れる場所をつくる

ヨシミツ・TOGATTA との次の予定

  • 来週か再来週 — 1-2時間の振り返り MTG (実際使ってみての感触をお聞かせください)
  • その後 — 必要に応じて、社内展開・Project 設計・MCP 連携・ガバナンス設計など、青山社長の関心領域に沿って継続的に並走

困ったとき、迷ったとき

Slack DM、メール、いつでも投げてください。"これってどうやるんだっけ" の小さな疑問こそ、最初に潰すべき詰まりポイントです。

今日が、最も早い日。
明日から、自分のものにしていきましょう。